Japanese
English
症例報告
多発性グロムス腫瘍における交感神経の分布について
Sympathetic Catecholaminergic Nerve Fibers in a Multiple Glomus Tumor
岸本 三郎
1
,
岡 史子
1
,
秋月 みわ子
1
,
小林 和夫
1
,
真崎 晴雄
2
Saburo KISHIMOTO
1
,
Fumiko OKA
1
,
Miwako AKIZUKI
1
,
Kazuo KOBAYASHI
1
,
Haruo MAZAKI
2
1京都府立医科大学皮膚科学教室
2近江八幡市民病院皮膚科
1Department of Dermatology, Kyoto Prefectural University of Medicine
2Division of Dermatology, Ohmihachiman City Hospital
キーワード:
多発性グロムス腫瘍
,
交感神経
,
蛍光組織化学
Keyword:
多発性グロムス腫瘍
,
交感神経
,
蛍光組織化学
pp.369-374
発行日 1989年4月1日
Published Date 1989/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204084
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14歳,女性の全身に生じた有痛性,一部無痛性の多発性グロムス腫瘍の1例を報告した.組織学的には病巣の大部分は数層のグロムス細胞より成る典型的な多発性グロムス腫瘍であったが,一部には血管平滑筋腫構築部もみられ,Enzinger&Weissの分類に従うとglomangiomyomaであり,電顕的には未分化な腫瘍であった.腫瘍間質には交感神経の密な分布を認めたが実質には少なかった.すでに報告した分化型および未分化型の単発性グロムス腫瘍の交感神経の分布と比較すると,間質にみられた密な分布はいずれのグロムス腫瘍にも共通した所見であった.単発性・未分化型では腫瘍実質内にも交感神経の密な分布がみられたが,本例では未分化型であるにもかかわらず交感神経は少なかった.この差異は腫瘍細胞の増殖程度を反映しているものと考えられた.
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