ヒトiPS細胞由来肝臓オルガノイド移植による免疫調節機構を介した肝線維化抑制

Suppression of liver fibrosis via immunomodulatory mechanisms by transplantation of human iPS cell-derived liver organoids

肝線維化とマクロファージ

　肝硬変はわが国において約40～50万人が罹患しているとされ，肝疾患の総死亡数は年間約1万8千人に上る^1）．背景疾患としてB型・C型肝炎，アルコール性肝炎，代謝機能障害関連脂肪肝炎（metabolic dysfunction associated steatohepatitis：MASH）など多様な原因があげられるが，非代償性肝硬変まで進行すると年1～6％の割合で肝がんへ移行する^2）．肝移植が根本的な治療法であるが，ドナー臓器不足が深刻な問題となっており，代替治療法の開発は喫緊の課題である．