Japanese
English
TOPICS 生化学・分子生物学
一細胞エンハンサー解析でT細胞多様性と免疫疾患に迫る
Decoding T cell diversity and immune disease mechanisms through single-cell enhancer analysis
小口 綾貴子
1,2
Akiko OGUCHI
1,2
1理化学研究所生命医科学研究センター
2京都大学高等研究院ヒト生物学高等研究拠点
pp.141-142
発行日 2025年10月11日
Published Date 2025/10/11
DOI https://doi.org/10.32118/ayu295020141
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エンハンサーは疾患発症の鍵を握る調節因子
大規模ゲノム解析の進展により,自己免疫疾患やアレルギー疾患に関連する数多くの遺伝的変異が報告されてきた.注目すべきは,それらの多くが遺伝子のタンパクコード領域ではなく,エンハンサーとよばれる非コード領域に集積している点である1).エンハンサーはその標的遺伝子から遠く離れたゲノム上に存在し,特定の転写因子と結合することで遺伝子発現を精緻に制御する.さらに,細胞種やその分化・活性状態によって特異的に活性化されるため,特定の細胞集団における機能や病態に深く関与すると考えられている2,3).
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