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特集 感覚器フレイルの予防と対策
味覚フレイル
-――味覚障害と健康
Taste frailty
――Taste disorders and health
重村 憲徳
1
Noriatsu SHIGEMURA
1
1九州大学大学院歯学研究院口腔機能解析学分野
キーワード:
味覚
,
味覚障害
,
味覚フレイル
,
全身疾患
Keyword:
味覚
,
味覚障害
,
味覚フレイル
,
全身疾患
pp.1046-1051
発行日 2025年9月13日
Published Date 2025/9/13
DOI https://doi.org/10.32118/ayu294111046
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味覚は,生命維持に必要(糖,ミネラル,アミノ酸),または不要(腐敗物,毒物)な物質を感知するためのセンサーである.味覚の感受性は個人差が大きく,年齢,性別,遺伝などが関係する.また,口腔環境,全身疾患,ストレスなどの心因性要因にも影響される.味覚障害はその症状により,味覚減退(味を感じにくい),無味症(まったく味を感じない),自発性異常味覚(何もないのに苦味や渋みを感じる),解離性味覚障害(特定味質がわからない),異味症(本来の味ではない味を感じる)などが知られている.これらの原因は複雑で,その発症メカニズムについてはほとんど明らかになっていない.本稿では,味覚感受性の低下要因,味覚障害のなかでも比較的頻度の高い薬剤性味覚障害の発症メカニズムの一例について概説し,味覚と健康との関連について考察する.

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