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第1土曜特集 分子基盤に基づくメカノバイオロジーの臨床応用最前線
次世代メカノセラピーの開発
メカノバイオロジーを用いた人工腱・靱帯の開発
Development of bio-tendon/ligament with mechanobiology
中村 皓平
1,2
,
中道 亮
1,3,4
,
淺原 弘嗣
1,4
Kohei NAKAMURA
1,2
,
Ryo NAKAMICHI
1,3,4
,
Hiroshi ASAHARA
1,4
1東京科学大学大学院医歯学総合研究科システム発生・再生医学分野
2同整形外科
3岡山大学整形外科
4Scripps Research, Molecular and Cellular Biology
キーワード:
腱・靱帯損傷
,
腱幹/前駆細胞(TSPCs)
,
細胞外基質(ECM)
,
人工腱・靱帯
Keyword:
腱・靱帯損傷
,
腱幹/前駆細胞(TSPCs)
,
細胞外基質(ECM)
,
人工腱・靱帯
pp.985-989
発行日 2025年9月6日
Published Date 2025/9/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu294100985
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腱・靱帯損傷は変形性関節症とも関連があり,今日の高齢化社会においても重要な病態といえる.腱・靱帯の発生には転写因子ScxおよびMkxが中心的な役割を果たし,その分化過程はFGFやTGF-βといった細胞外シグナルによって精緻に制御されている.また,修復には腱幹/前駆細胞(TSPCs)と細胞外基質(ECM)が重要な役割を担うが,その詳細な分子メカニズムはいまだ十分に解明されていない.従来の治療には自家腱移植や人工靱帯が用いられるが,再断裂や生体親和性の課題が残る.筆者らは,iPS細胞由来の間葉系細胞にMkxを導入し,伸展培養することで腱・靱帯様組織を作製して,脱細胞化・化学架橋処理により修復促進材料としての応用を試みた.メカノバイオロジーは,腱・靱帯の力学的特性と再生誘導を統合的に捉える学際的アプローチとして,人工組織開発において極めて重要な役割を果たす.

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