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第1土曜特集 分子基盤に基づくメカノバイオロジーの臨床応用最前線
発生・再生・修復のメカノバイオロジー
血管新生のメカノバイオロジー
Mechanobiology in angiogenesis
福原 茂朋
1
Shigetomo FUKUHARA
1
1日本医科大学先端医学研究所病態解析学部門分子細胞構造学分野
キーワード:
血管新生
,
メカニカル刺激
,
血流
,
シェアストレス
,
細胞外基質(ECM)
Keyword:
血管新生
,
メカニカル刺激
,
血流
,
シェアストレス
,
細胞外基質(ECM)
pp.948-952
発行日 2025年9月6日
Published Date 2025/9/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu294100948
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血管新生は,血管の出芽,伸長,分枝,陥入,退縮,吻合,管腔形成といった一連のプロセスを経て,複雑な血管ネットワークを構築する生命現象である.発生や創傷治癒においては機能的な血管を形成し,生体恒常性の維持に寄与する一方,がんなどの多くの疾患とも密接に関係しており,その理解は虚血性疾患に対する血管再生療法や,病的血管新生を伴う疾患の治療法開発において重要である.血管新生の誘導と制御には,VEGFをはじめとする血管新生因子が深く関与しているが,近年では血管内皮細胞に加わるメカニカル刺激が,その調節において重要な役割を果たすことが明らかになってきた.血管内皮細胞は,血流に伴うシェアストレスや血圧による静水圧・伸展張力,さらに細胞外基質(ECM)の硬さなどの力学的環境を鋭敏に感知し,それに応じて機能を柔軟に調節している.本稿では,血管新生の各プロセスにおけるメカニカル刺激の役割とその分子メカニズムについて概説する.

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