Japanese
English
腱・靱帯研究のフロンティア
(3)腱・靱帯組織の恒常性維持と再生を制御する分子メカニズム
Molecular mechanisms controlling homeostasis and regeneration of tendon and ligament tissues
中道 亮
1
,
片岡 健輔
2
,
浅原 弘嗣
2
Ryo NAKAMICHI
1
,
Kensuke KATAOKA
2
1Department of Molecular Medicine, The Scripps Research Institute, USA
2東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科,システム発生再生医学分野
1Department of Molecular Medicine, The Scripps Research Institute, USA
キーワード:
Tendon
,
Regeneration
,
Homeostasis
Keyword:
Tendon
,
Regeneration
,
Homeostasis
pp.315-319
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001215
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運動器障害は,私たちの健康な生活を脅かす無視できない問題である1)。腱・靱帯組織は運動器を構成する組織の一つであり,細胞外マトリックスが主に1型コラーゲンで構成されている線維組織である2)。腱組織は筋肉と骨をつなぐことでその力の伝達に重要な役割を果たし,靱帯組織は骨と骨をつなぎ,関節に可動性と安定性をもたらす役割をもつ。これらの組織が外傷や変性に伴いその本来の機能を失うと,変形性関節症などの種々の疾患を引き起こし生活の質の低下につながることから,これら組織が良好な再生を得ること,恒常性を維持することは重要な意味をもつ。しかし実際のところ,これら組織は自己修復能力が低く,一旦障害を受けると機械的強度の再獲得は不十分となることもわかっている3)。そのため健常組織への再生を目指す治療を実現させるためには,腱・靱帯組織の恒常性および再生の分子メカニズムをより良く理解し,これを応用する試みが必要である。
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