Japanese
English
特集 新組織学シリーズⅡ:骨格筋—今後の研究の発展に向けて
Ⅱ.骨格筋組織を支える細胞の役割・応答
骨格筋のメカノバイオロジー
‘Mechanobiology' in skeletal muscle
平野 航太郎
1,2
,
鈴木 美希
2
,
原 雄二
2
Hirano Koutarou
1,2
,
Suzuki Miki
2
,
Hara Yuji
2
1京都大学大学院工学研究科
2静岡県立大学薬学部
キーワード:
メカノバイオロジー
,
ジストログリカン
,
機械受容イオンチャネル
,
筋線維再生
Keyword:
メカノバイオロジー
,
ジストログリカン
,
機械受容イオンチャネル
,
筋線維再生
pp.532-536
発行日 2021年12月15日
Published Date 2021/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201437
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
骨格筋は体重の30-40%もの重量を占める,生体最大の組織である。骨格筋は単に運動器官という一面だけでなく,生理活性物質(いわゆるマイオカイン)の産生,エネルギー代謝をはじめ,全身での様々な生理現象に関与する。また,昨今“サルコペニア・フレイル”という言葉は医療現場のみならず,様々な場面で語られるようになり,国民のなかでも骨格筋の重要性は認知されつつある。骨折などによりギプス固定されて筋肉が不動化すると,筋重量の顕著な減少がみられることからも,適切な力は骨格筋の恒常性維持に重要な役割を果たすことは明らかであろう。では,なぜ骨格筋は力を感知でき,その力を筋線維の恒常性維持に変換できるのであろうか。本稿では,骨格筋が力を感知する機構と共に,骨格筋の大きな特徴である筋線維の高い再生能に着目し,筋再生過程の力感知機構の役割にも焦点をあてて,骨格筋における“メカノバイオロジー”の重要性について概説したい1)。
Copyright © 2021, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.