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第1土曜特集 分子基盤に基づくメカノバイオロジーの臨床応用最前線
発生・再生・修復のメカノバイオロジー
線維化のメカノバイオロジー
Mechanobiology in fibrosis
渡邊 颯人
1
,
仲矢 道雄
1
Hayato WATANABE
1
,
Michio NAKAYA
1
1名古屋大学環境医学研究所疾患制御学分野
キーワード:
線維化
,
筋線維芽細胞
,
細胞外マトリックス(ECM)タンパク質
,
機械的刺激
Keyword:
線維化
,
筋線維芽細胞
,
細胞外マトリックス(ECM)タンパク質
,
機械的刺激
pp.958-962
発行日 2025年9月6日
Published Date 2025/9/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu294100958
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線維化とは,組織にコラーゲンなどの細胞外マトリックス(ECM)タンパク質が過剰に蓄積された状態である.線維化は急性損傷時には生体にとって有益に働くが,慢性炎症により引き起こされる場合は組織の機能低下を招く.線維化組織においてコラーゲンなどのECMタンパク質は,筋線維芽細胞とよばれる細胞群によって産生される.筋線維芽細胞がコラーゲンを産生し続けると,その周囲はやがてコラーゲン線維で囲まれる.コラーゲン線維は硬く,筋線維芽細胞は周囲のコラーゲン線維から物理的な力(機械的刺激)を受けるようになる.近年,この機械的刺激が筋線維芽細胞のコラーゲン産生能を促進することが明らかとなってきた.本稿では,この筋線維芽細胞の機械的刺激によるECMタンパク質産生の分子メカニズムについて,特に機械的刺激受容体,転写共役因子,エピジェネティック因子に着目して概説する.

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