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第1土曜特集 分子基盤に基づくメカノバイオロジーの臨床応用最前線
メカニカルストレスに起因する疾患――治療標的の同定に向けて
変形性関節症と関節のメカノバイオロジー
Osteoarthritis and mechanobiology of articular joints
齋藤 琢
1
Taku SAITO
1
1東京大学大学院医学系研究科外科学専攻感覚・運動機能医学講座整形外科学
キーワード:
変形性関節症
,
力学的負荷
,
NF-κB
,
Prg4
,
プロジェニター
Keyword:
変形性関節症
,
力学的負荷
,
NF-κB
,
Prg4
,
プロジェニター
pp.915-919
発行日 2025年9月6日
Published Date 2025/9/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu294100915
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変形性関節症の発症に関わる因子のひとつに過剰な力学的負荷の蓄積がある.本稿では,軟骨細胞にかかる過剰な力学的負荷が軟骨変性をもたらす機序のひとつとして,gremlin-1-NF-κB-HIF-2αパスウェイを紹介する.一方,運動器にかかる力学的負荷は,関節軟骨や滑膜,腱・靱帯の表層で潤滑性を維持しているPrg4を誘導し,これらの組織の恒常性維持に寄与することも明らかとなってきた.Prg4の制御機構やPrg4のシグナル分子としての作用,さらにPrg4陽性細胞の役割についていくつかの知見を紹介するほか,力学的負荷が関節システムにどのように作用するか,滑膜と軟骨の連関からアプローチした研究も紹介する.

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