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第1土曜特集 分子基盤に基づくメカノバイオロジーの臨床応用最前線
メカニカルストレスに起因する疾患――治療標的の同定に向けて
筋萎縮・サルコペニア
Muscle atrophy and sarcopenia
内田 貴之
1
,
二川 健
1
Takayuki UCHIDA
1
,
Takeshi NIKAWA
1
1徳島大学大学院医歯薬学研究部生体栄養学分野
キーワード:
サルコペニア
,
廃用性筋萎縮
,
メカニカルストレス
,
ミトコンドリア
Keyword:
サルコペニア
,
廃用性筋萎縮
,
メカニカルストレス
,
ミトコンドリア
pp.910-914
発行日 2025年9月6日
Published Date 2025/9/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu294100910
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サルコペニアと廃用性筋萎縮は,いずれも筋量・筋力の低下を示す病態である.しかし,サルコペニアは加齢などに起因する進行性で緩徐な低下がみられるのに対して,廃用性筋萎縮は不動や不活動などによる骨格筋への機械的負荷(メカニカルストレス)の減少によって,短期間でも急速な筋量・筋力の低下がみられる.そのメカニズムにはそれぞれ共通点と相違点がみられ,これらの理解は超高齢社会を迎え,高齢者人口が増加するわが国において重要な意義がある.本稿では,サルコペニアと廃用性筋萎縮の特徴と,筋量調節に重要な役割を果たすIGF-1(インスリン様成長因子1)シグナルおよびミオスタチンシグナルについて説明する.さらに,近年さまざまな疾患への関与が明らかになっているミトコンドリアの動態と筋萎縮の関係性について概説し,最新の知見について紹介する.

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