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特集 麻酔科学の進歩――より効果的で安全な全身管理のために
高齢者における術後せん妄を予防するための周術期管理と手術室運営
Perioperative management to prevent postoperative delirium in the elderly and operating room management
新山 幸俊
1
Yukitoshi NIIYAMA
1
1秋田大学大学院医学系研究科医学専攻病態制御医学系 麻酔・蘇生・疼痛管理学講座
キーワード:
高齢者
,
術後せん妄(POD)
,
多職種
,
包括的介入
,
手術室運営
Keyword:
高齢者
,
術後せん妄(POD)
,
多職種
,
包括的介入
,
手術室運営
pp.224-228
発行日 2025年7月19日
Published Date 2025/7/19
DOI https://doi.org/10.32118/ayu294030224
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高齢化と医療の進歩により,高齢者が手術を受ける機会は増加しており,高齢者の周術期合併症として術後せん妄(POD)が注目されている.通常,PODは一過性であるが,術後のアウトカムを悪化させ,医療費を増大させるため重要な問題である.PODは治療法が確立していないため,多職種で包括的に周術期に介入して予防を図る必要がある.一方,急性期病院では施設の収益を安定させるために手術件数が増加している.手術は複雑化し,専門性が高くなっている反面,手術室への人員,資金,器械などのサポートは不十分なことが多く,手術に関わる医療者の負荷は大きくなっている.手術室運営はしばしば印象で語られるが,現状を打破するためには手術件数だけでなく,在室時間,稼働率,手術枠の使用状況,予定手術時間と実際の手術時間の差,収支などのデータを収集・解析し,そのうえでトップが中長期的なビジョンを提示して改革を行うべきである.

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