特集 看護婦の勤務と生活の合理化
第2部 よりよく学ぶために
図書室の運営とその管理
裏田 武夫
1
1東大
pp.68-70
発行日 1961年6月15日
Published Date 1961/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912538
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1.ナース・ライブラリー
2年ほど前にチヤイナ・メディカル・ボードの招のきを受け,東京大学医学部総合中央館建設の参考とするため,3カ月ばかりアメリカ各地の大学医学部や病院などを歴訪し,とくにライブラリーがどのように建てられ,管理・運営されているかを視察した。アメリカでは専門的なあるいは特殊な業務にたずさわつている人間集団のあるところには,かならずライブラリーがあるといわれているが,期待したとおりナースもまた例外ではなかつた。もちろん独立した建物をもつものもあるが,大きなメディカルライブラリーの1室がそれにあてられているものや,ドクターもナースも区別しないで総合的に運営されているものなど多種多様である。これらのライブラリーにはいずれも,勉学中のあるいは勤務についたナースたちが忙しく文献をさがしまわつたり,静かに新着の定期刊行物を読んでいる。すでにナースという職業集団の生活をいとなむ場において,近代的な運営・管理の行なわれるライブラリーは不可欠のものとなつているといえよう。その主な理由をふたつあげよう。
2.ライブラリーの必要性
第1には,ライブラリーは社会集団の論理として,その存在理由をもつということである。つまり,理想的にいえば各個人がおよそ必要とする文献をすべて手許におき,効果的に利用しうるよう能率的に整理しておくことであろう。
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