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第1土曜特集 大変革期のリハビリテーション治療と拡大する守備範囲
領域の拡大
精神疾患に対するリハビリテーション医療の新たな領域
-――精神科理学療法への期待
New frontiers in rehabilitation medicine for psychiatric disorders
――Expectations for psychiatric physical therapy
荒川 英樹
1
Hideki ARAKAWA
1
1宮崎大学医学部附属病院リハビリテーション科
キーワード:
精神医療
,
リハビリテーション治療
,
精神科理学療法
,
精神療養病棟
Keyword:
精神医療
,
リハビリテーション治療
,
精神科理学療法
,
精神療養病棟
pp.91-96
発行日 2025年7月5日
Published Date 2025/7/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu294010091
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わが国には,2024年時点で約147万床の病院病床が存在する.医療法上の病床種類別では,一般病床の88万床に次いで精神病床が32万床を占め,療養病床の27万床よりも多数であり,全国で約1,600病院が精神病床を有している.そして,平均在院日数は年々短縮傾向にあるものの,2018年時点で265.8日と長期であり,このことはわが国の医療経済的な問題点として以前から指摘され,いろいろな対策が議論されてきた.その結果,令和2年度診療報酬改定では精神療養病棟入院料について,疾患別リハビリテーション料を別に算定できることとなり,精神疾患患者に対するリハビリテーション医療への期待が示された.精神疾患におけるリハビリテーション治療については,従来から精神科作業療法が実施されており,多くの治療効果が実証されている.一方で,地域移行に向けた新たな取り組みとして,運動機能や生活活動に着目した精神科理学療法の重要性も認識されてきており,本稿ではこの新領域の展望を概説する.

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