Japanese
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解説
レーザー血管形成術
Laser Angioplasty
古川 欽一
1
,
長田 一仁
1
Kin-ichi Furukawa
1
,
Kazuhito Osada
1
1東京医科大学外科第二講座
1The Second Department of Surgery, Tokyo Medical College
pp.989-992
発行日 1991年10月15日
Published Date 1991/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900358
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はじめに
動脈硬化性血管病変に対するレーザー治療の研究は1980年代に入り急速な発展を遂げている,しかし,いまだに確立された治療には至っていないのが現況である.
動脈硬化性血管病変に対するレーザー照射に関する研究は,1981年Lee1),1982年Abela2),Choy3)などにより,その効果に関する報告がなされた.1983年にはGinsburgら4)が,1984年には,GeschwindらによりNd-YAGレーザーを用いたレーザー血管形成術の臨床成功例が報告された5).しかし,これらはレーザーの直接のエネルギーを利用して病変を蒸散する直射法であり,血管の穿孔や動脈瘤の形成,狭窄病変を確実に蒸散することが困難であるなどの問題もあった6-8).これに対し1984年,Leeらはファイバー先端に金属性のキャップを付け,レーザーエネルギーを熱エネルギーに変換して病変の焼灼を図るメタルホットチップ接触法の基礎研究を報告した9).さらに,1985年,Sanbornらはこのメタルホットチッププローブを用いたレーザー血管形成術接触法の臨床成功例を報告した10).本邦においては,1985年,竹川らによりNd-YAGレーザーを用いた直射法による臨床応用が報告された11).以後,多くの施設で動脈硬化性血管病変に対するレーザー治療の研究が行われている.
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