Japanese
English
綜説
レーザの泌尿器科領域への応用
The Laser in Urology
菊地 真
1
,
桜井 靖久
1
Makoto Kikuchi
1
,
Yasuhisa Sakurai
1
1東京女子医科大学医用工学研究施設
1Institute of Medical Engineering, Tokyo Women's Medical College
pp.835-847
発行日 1979年9月20日
Published Date 1979/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202803
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Ⅰ.レーザとは
レーザ光が初めて世の中に登場したのは,1960年のMaiman(アメリカ)によるルビーレーザ光であり,ひきつづき1961年にはJavanによりヘリウム・ネオンレーザ光が出現している。レーザ光とは人智のつくつた人工的光線であり,自然界に存在する光線とはいささかその趣きを異にする。レーザ(LASER)なる言葉は,Light Ampli-fication by Stimulated Emission(放射線の誘導放出による光の増幅)の頭文字をとつてつくられた新造語であり,このことからも人工の光であることが推察されよう。レーザ光の本態は,一口に言えば強力な光線といえるが,もう少し詳しくレーザ光について説明することにしよう。物質を構成している分子や原子には,とり得る内部エネルギーの状態(準位)がいくつかあり,そのエネルギー状態から他の状態に移り変わるとき(遷移)に電磁波の発生,吸収が生じる。第1図において,E1という低いエネルギー状態にある原子に強力な光などを照射してそのエネルギー準位を高めてやり(ポンピング),励起状態になつたところに強い光が作用すると,入射光と同じ振動数,同じ位相の光が誘導放出される。第2図はルビーレーザにおける発振の原理を説明したものであり,このようにしてつくられた特殊な光線"レーザ光線"は普通の光線から出る光線と違つて,光の波長がよくそろい(単色性),しかも波の位相がよくそろつた光である。
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.