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特集 機能性神経障害(FND;ヒステリー)診療の近年の革命的変化――COVID-19の影響も踏まえて
FNDと神経生理
The role of neurophysiological examinations in functional neurological disorders
神林 隆道
1
,
園生 雅弘
1,2
Takamichi KANBAYASHI
1
,
Masahiro SONOO
1,2
1帝京大学医学部附属病院脳神経内科
2同医療技術学部視能矯正学科
キーワード:
機能性神経障害(FND)
,
機能性運動障害(FMD)
,
神経生理検査
,
陽性徴候
Keyword:
機能性神経障害(FND)
,
機能性運動障害(FMD)
,
神経生理検査
,
陽性徴候
pp.521-526
発行日 2025年5月10日
Published Date 2025/5/10
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293060521
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機能性神経障害(FND)に対する神経生理検査は,特に機能性運動障害(FMD),なかでも機能性振戦(FT)や機能性ミオクローヌスなどの診断のために広く用いられてきた.また,機能性筋力低下(FW)における針筋電図などの神経生理検査の役割も大きい.FNDが疑われる患者に対する神経生理検査は,器質的疾患を否定し,神経機能に異常がないことを示すために行われると考えられがちである.しかし,神経生理検査によって得られる所見そのものが陽性徴候,すなわちFNDを積極的に診断するための所見のひとつとなりえ,FMDのさまざまな症候にも広く応用されてきており,FND診療における神経生理検査の重要性は増してきている.神経生理検査の客観的な所見を用いた診断は,FNDの適切な診断に寄与するだけでなく,FND研究における患者組み入れ時の選択バイアスの軽減や,器質的疾患とoverlapする例の正確な評価にも役立つことが期待される.

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