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特集 機能性神経障害(FND;ヒステリー)診療の近年の革命的変化――COVID-19の影響も踏まえて
FNDのリハビリテーション
Rehabilitative management for FND
角田 亘
1
Wataru KAKUDA
1
1国際医療福祉大学医学部リハビリテーション医学教室
キーワード:
機能性神経障害(FND)
,
運動障害
,
リハビリテーション
,
患者教育
,
疾病利得
Keyword:
機能性神経障害(FND)
,
運動障害
,
リハビリテーション
,
患者教育
,
疾病利得
pp.533-536
発行日 2025年5月10日
Published Date 2025/5/10
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293060533
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運動障害を呈する機能性神経障害(FND)に対しては,集学的なリハビリテーションとして症状評価,患者教育,機能訓練を進めていく.第1に,症状評価では器質性疾患の可能性を否定することが重要である.診察時以外の運動・活動の状況も観察することで,“運動障害が存在する部位” においても正常な動きがいまだ生じうることを確認する.第2に,患者教育では “疾患あるいは症状があることで,患者が恩恵を受ける” 疾病利得を軽減・消失させる.そして,症状が改善することで “よりよい状態” が享受できることを理解させる.さらに,器質性疾患が存在しないことを患者自身にも理解させる.第3に,機能訓練では理学療法や作業療法を通じて,障害部位にも正常な動きが起きうることを患者自身に体験・自覚させた後に,病的で異常な動きを矯正して,最終的には正常な動きを段階的に再学習させる.

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