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はじめに
この小論は,「リハビリテーションにおけるパーソナルコンピュータ(パソコン)活用法」について,パソコンを神経生理検査のなかでどう使っているかという私の経験を中心に紹介するものである脚注1).「パソコンに触ってみたいが,どうも」という人や「パソコンに触ってはいるが,事務作業だけ」という人や「ワープロは使っているがパソコンは未経験」という人向けの紹介である.したがって,どんなプログラムを書くとどんなことができるかといった高級なことには触れない脚注2).その辺を知りたい諸氏は,本誌3月号の岡島康友らの論文1)を参照されたい.
現代は,知識・情報社会への大転換期とされる2).その転換のもとは,コンピュータ技術を中心とした情報処理能力の飛躍にある.この能力の一般化において,パソコンの進歩が大きな役割を果たしている脚注3).
パソコンのハード,ソフトの進歩は驚異的である.卑近な例をあげると,筆者は昨年1月にアップル社製のMacintosh Quadra 700という機種を約70万円で買ったが,今ではその同等品の実売価格は20万円である.また,この4月からはその10倍以上の処理能力を有するCPUを搭載したPower Macintoshが50万円程度で手に入るようになった.
今や,人類にとってパソコンは「紙の発明」以上にインパクトのある道具となっている.それは,もはや一部の人々にとってではなく,あらゆる人にとってである.パソコンの進歩は,働く,考える,という意味あいを全く変えつつある.すなわち,それを利用するか否かで,全く効率の違う解法を有する人々をつくってしまった脚注4).殊に,創造的仕事に携わる人達にとっては,パソコンを使うか否かは,武器として「竹槍を使うか,鉄砲を使うかの差」以上の事態といえる脚注5).
たいていのことは市販のソフトで可能である.一部の人を除いて,プログラムを組める必要はない.自分用に使いやすくなる(カスタマイズという)のにもちょっと設定をすればよい.マクロなどと呼ばれる命令文を少し覚えればよい.もし,読者諸氏の中で,5~10年前にパソコン(この頃はマイコンといっていたかもしれない)に触り,プログラムを勉強してこりてしまった,という経験を持つ方がいたら,もう一度触ってみることをお勧めする.
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