Japanese
English
第1土曜特集 成人先天性心疾患――各国のガイドラインに学ぶ
軽症(単純)先天性心疾患の診断・治療
心房中隔欠損(ASD),卵円孔開存(PFO)の診断と治療
Diagnosis and treatment of atrial septal defect(ASD)and patent foramen ovale(PFO)
橋本 剛
1
Go HASHIMOTO
1
1東邦大学医療センター大橋病院循環器内科
キーワード:
心房中隔欠損(ASD)
,
卵円孔開存(PFO)
,
経皮的PFO閉鎖術
,
外科的閉鎖術
,
心エコー図
Keyword:
心房中隔欠損(ASD)
,
卵円孔開存(PFO)
,
経皮的PFO閉鎖術
,
外科的閉鎖術
,
心エコー図
pp.352-358
発行日 2025年5月3日
Published Date 2025/5/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293050352
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
本稿は,成人先天性心疾患である心房中隔欠損(ASD)と卵円孔開存(PFO)の診断・治療法を解説する.ASDは左右心房間の異常開口部であり,症状はさまざまである.診断は心エコー図検査(TTE,TEE)が中心であり,必要に応じて他の検査も併用される.治療は外科的閉鎖術または経カテーテル閉鎖術であるが,後者は低侵襲であるものの,全例に適応するとは限らない.PFOは胎児期からの開口部が閉鎖しない状態である.成人の約25%にみられ,多くは無症状であるが,脳梗塞などのリスクを有する.診断は心エコー検査が中心であり,無症状であれば経過観察となるが,症状やリスクが高い場合はブレインハートチームで検討のうえ,経カテーテル閉鎖術が選択される.治療方針は心エコー検査による診断と,症状,年齢,合併症などを総合的に考慮して決定される.経カテーテル閉鎖術の進歩により低侵襲治療が可能となっているが,専門医による適切な診断と治療計画が不可欠である.PFOにおいては特に脳卒中リスクに注意が必要である.

Copyright © 2025 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.