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特集 卵円孔開存の問題と新しい治療
卵円孔開存カテーテル閉鎖術に対するBrain Heart Team Approach
Brain Herat Team Approach for patent foramen ovale cathetel closure
今井 逸雄
1
Masao IMAI
1
1兵庫県立尼崎総合医療センター循環器内科
キーワード:
卵円孔開存(PFO)
,
Brain Heart Team
Keyword:
卵円孔開存(PFO)
,
Brain Heart Team
pp.282-285
発行日 2021年1月23日
Published Date 2021/1/23
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27604282
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経皮的卵円孔開存(PFO)閉鎖術は,2020年よりわが国でも治療が開始となった.この治療はPFOを介した脳梗塞と診断された患者の二次予防の目的で施行される性質上,その診断が最も重要である.脳梗塞の病型診断のみならず,患者の脳梗塞の原因となりうるその他の要因まで検索する必要があり,それらが除外される必要がある.脳梗塞の病型診断に関しては脳卒中専門医の専門領域であり,塞栓性の脳梗塞が否定できずPFOの存在も検索する必要があるとき,われわれ循環器内科医がPFOの検索を行う.その際は,PFOの塞栓性脳梗塞を起こしやすい特徴である形態的な評価も行うことも重要である.また,患者の脳梗塞発症様式なども加味して,循環器内科医の立場からのPFOの脳梗塞の起こしやすさの評価を行う.最終的には両者の意見を総合してPFOが関与する脳梗塞であるかを診断し,治療する必要がある.このように,PFOの閉鎖に関しては脳卒中専門医との間のdiscussionが常に必要であり,単にPFOの存在のみで閉鎖を行うのは患者にとって有益でなく有害である.今までの循環器疾患の治療においても,これほどBrain Heart Teamの真の構築が必要であった疾患はなく,その円滑な運用が必須な治療であり,症例の集患においてもその協力は必須である.
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