Japanese
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特集 ひきこもりの病態理解とその対応
ひきこもり当事者は多様で,“普通” の人たちである
People who have withdrawn from society are diverse and “normal” people
石井 英資
1
Eisuke ISHII
1
1SHIPひきこもりと共生社会を考えるネットワーク
キーワード:
ひきこもり
,
ひきこもり当事者
,
ステレオタイプ
,
146万人
,
多様
Keyword:
ひきこもり
,
ひきこもり当事者
,
ステレオタイプ
,
146万人
,
多様
pp.162-164
発行日 2025年4月12日
Published Date 2025/4/12
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293020162
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“元ひきこもり当事者” として筆者が訴えたいことは,本誌を読んだ読者に “ひきこもり=誰にでも起こること” と捉えてほしい,ということである.ひきこもりには “自らの生が危機に直面したときに,社会からの一時的な逃避として起こる状態” という側面があり,決して “怠けているからひきこもる” というように単純化できるものではない.また,ひきこもり中は脳がフル回転したように働き,自分を疲れ果てさせてしまうということも起こりうる.しかし残念なことに,ひきこもりはまだまだ “異常” としてみられがちであり,世間から冷たい反応を受けることもある.ひきこもり当事者は,社会の一部から “就職” や “就学” によって “矯正” すべき対象であるとみなされることがある.ひきこもり当事者は146万人いると推計されているが,そのあり方は多様であり,146万通りのひきこもり方があるといえる.大切なのは,ひきこもりに対しステレオタイプな見方をせず,普通の人間として見ることである.

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