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特集 ひきこもりの病態理解とその対応
ひきこもりの生物学的理解に向けたバイオマーカー探索の現状と今後の指針
Biomarker discovery for biological understanding of Hikikomori
――Current achievements and future directions
瀬戸山 大樹
1
Daiki SETOYAMA
1
1九州大学病院検査部
キーワード:
血液成分
,
メタボローム解析
,
質量分析(MS)
,
栄養介入
,
機械学習
Keyword:
血液成分
,
メタボローム解析
,
質量分析(MS)
,
栄養介入
,
機械学習
pp.165-168
発行日 2025年4月12日
Published Date 2025/4/12
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293020165
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近年,ひきこもりは若年層から中高年まで幅広い世代で増加しており,8050問題や休学,休職といった深刻な社会問題の一因となっている.さらにこの現象は日本国内に限らず,世界的にも同様の傾向がみられる.ひきこもりの原因には社会的および心理的要因が絡み合っており,特に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックがそのリスクを高めたことは否めない.また,ひきこもりはうつ病や統合失調症,社会不安障害といった精神疾患を併存する場合が多いことも報告されている.このような背景を受け,近年ではひきこもりを生物学的要因から理解しようとする研究が注目を集めている.特にバイオマーカーの特定は,ひきこもりの病態解明や新たな介入法の開発に向けた重要な手がかりになると考えられる.本稿では,ひきこもりの生物学的特性に焦点をあて,バイオマーカー研究の現状を踏まえた新たな知見を提示する.

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