Japanese
English
特集 ひきこもりの病態理解とその対応
ひきこもりとネット・ゲーム依存
-――共通した背景要因
Hikikomori, internet addiction and gaming disorder
――Common background factors
館農 勝
1
Masaru TATENO
1
1ときわ病院理事長
キーワード:
ひきこもり
,
不登校
,
ネット依存
,
ゲーム行動症(GD)
,
神経発達症
Keyword:
ひきこもり
,
不登校
,
ネット依存
,
ゲーム行動症(GD)
,
神経発達症
pp.138-141
発行日 2025年4月12日
Published Date 2025/4/12
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293020138
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
ひきこもりは,6カ月以上にわたり社会参加を回避し,家庭内にとどまり続ける現象と定義される.ネットはわれわれの日常生活に必要不可欠なものとなり,すでに幼児期からネットを使用している子どもも多い.近年,若年者を中心にネット・ゲーム依存が大きな社会問題となっており,不登校との関連性も指摘されている.ネットを利用したさまざまなオンライン活動やゲームに没頭し,その結果,就労・学業などの社会参加をせずに自宅にとどまっている場合,その状態像はまさにひきこもりである.ひきこもりとネット・ゲーム依存の間には,共通した背景要因の存在が指摘されている.たとえば,自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)といった神経発達症の併存が多いこと,心理的要因としての孤独感,快適な “居場所” としてのネット空間の存在などがあげられる.ひきこもりもネット・ゲーム依存も,その理解のためには包括的かつ多面的なアセスメントが必要である.

Copyright © 2025 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.