Japanese
English
特集 行動嗜癖――ギャンブル障害・ゲーム障害等の実態と対策
ゲーム行動症
ゲーム行動症のリスク要因・併存症
Risk factors and comorbidities of gaming disorder
館農 勝
1
Masaru TATENO
1
1さっぽろ悠心の郷ときわ病院理事長
キーワード:
ゲーム行動症
,
インターネットゲーム障害
,
ネット依存
,
行動嗜癖
,
アディクション
Keyword:
ゲーム行動症
,
インターネットゲーム障害
,
ネット依存
,
行動嗜癖
,
アディクション
pp.643-647
発行日 2022年11月5日
Published Date 2022/11/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28306643
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
ゲーム行動症は若年男性に多いが,さまざまなリスク要因が知られており,複数の併存症を認めることが多い.ゲームを楽しむという,本来嗜癖性がないはずの行動に対して “過度にはまっている状態”,“病的にのめり込んでいる状態” に至るプロセスには,孤独感や自己肯定感の低下などの心理的要因,学校・職場,家庭や親子関係といった社会的要因,併存する神経発達症をはじめとした生物学的要因など,さまざまな要因が複雑に絡み合いながら影響を与えている.近年,世界各国からゲーム行動症に関する研究成果が多数報告されているが,併存症として頻度が高いものは比較的共通しており,わが国における調査でも同様の結果である.注意欠如・多動性障害(ADHD),自閉症スペクトラム障害(ASD)といった神経発達症と,内在化障害であるうつ病,不安症の報告が多い.ゲーム行動症をアセスメントし治療方針を検討する際には,これら発症リスクの評価や併存症の診断も重要である.
Copyright © 2022 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.