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連載 自己指向性免疫学の新展開――生体防御における自己認識の功罪・Vol.27
NK細胞の自己・非自己認識機構の制御によるがん免疫療法
Cancer immunotherapy regulating the mechanism of recognition of self/non-self by NK cells
保仙 直毅
1
Naoki HOSEN
1
1大阪大学大学院医学系研究科血液・腫瘍内科学
キーワード:
NK細胞
,
キメラ抗原受容体(CAR)
,
がん
,
がん免疫
Keyword:
NK細胞
,
キメラ抗原受容体(CAR)
,
がん
,
がん免疫
pp.919-922
発行日 2025年3月15日
Published Date 2025/3/15
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292110919
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SUMMARY
免疫療法は,がんの治療に革命をもたらした.しかし,これらのほとんどは,T細胞による細胞性獲得免疫を利用したものである.一方,病原微生物から身を守るための免疫細胞には,抗原特異的な獲得免疫をつかさどるリンパ球のみならず,マクロファージ,樹状細胞,好中球,ナチュラルキラー(NK)細胞が存在し,これらもがんを “非自己” として認識し,排除するうえで一定の役割を担っている.本稿では,それら自然免疫細胞のうちNK細胞に焦点を絞り,そのがん免疫反応における役割を概説したうえで,NK細胞を利用したがん免疫療法,特にキメラ抗原受容体(CAR)を用いて強制的にNK細胞にがん抗原特異性を賦与するCAR-NK細胞について紹介する.

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