Japanese
English
特集 概日時計が制御する多面的な生理機構
睡眠と概日リズム
Sleep and circadian rhythms
駒田 陽子
1
,
志村 哲祥
2,3
Yoko KOMADA
1
,
Akiyoshi SHIMURA
2,3
1東京科学大学リベラルアーツ研究教育院
2東京医科大学精神医学分野
3スタンフォード大学精神・行動科学分野
キーワード:
概日リズム睡眠・覚醒障害(CRSWD)
,
睡眠・覚醒相後退障害(DSWPD)
,
交代勤務障害(SWD)
,
メラトニン
,
光
Keyword:
概日リズム睡眠・覚醒障害(CRSWD)
,
睡眠・覚醒相後退障害(DSWPD)
,
交代勤務障害(SWD)
,
メラトニン
,
光
pp.819-824
発行日 2025年3月8日
Published Date 2025/3/8
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292100819
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睡眠・覚醒リズムが外界の昼夜サイクルと同調せず,夜間に眠り昼間に起きるという通常の睡眠・覚醒パターンを維持できない疾患を総称し,概日リズム睡眠・覚醒障害(CRSWD)という.睡眠障害国際分類第3版(ICSD-3)では,内因型として睡眠・覚醒相後退障害(DSWPD)など,外因型として交代勤務障害(SWD)など,6つの病型があげられている.DSWPDは睡眠・覚醒スケジュールが望ましい時間帯から大きく遅延し,朝の起床困難や体調不良を訴えるもので,若年者での有病率は7~16%と高頻度である.SWDは通常眠る時間帯に勤務するスケジュールのために不眠や総睡眠時間の減少,過剰な眠気が生じるもので,有病率は交代勤務従事者の3人に1人程度にのぼると推定されている.CRSWDに対しては,睡眠衛生指導や高照度光療法を中心とした非薬物的治療と,メラトニン受容体作動薬などの薬物的治療が行われる.

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