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増刊号特集 最近のトピックス2019 Clinical Dermatology 2019
2.皮膚疾患の病態
概日リズムとヘルペス感染
Circadian rhythms and herpes infection
川村 龍吉
1
Tatsuyoshi KAWAMURA
1
1山梨大学医学部皮膚科学講座
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine, University of Yamanashi, Chuo, Japan
キーワード:
概日時計
,
時計遺伝子
,
ヘルペスウイルス
,
Nectin-1
,
アシクロビル
Keyword:
概日時計
,
時計遺伝子
,
ヘルペスウイルス
,
Nectin-1
,
アシクロビル
pp.53-58
発行日 2019年4月10日
Published Date 2019/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205704
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summary
近年,生物の約24時間周期性の生理活動を司る「概日時計」に関する研究が飛躍的に進歩し,体内時計(時計遺伝子)とさまざまな疾患の関係が明らかになりつつある.時計遺伝子は,中枢のみならず,臓器を構成する末梢細胞ほぼすべてに存在し,個々の末梢時計は中枢時計によって同調される.これまでの研究で細胞増殖やバリア透過性などの皮膚のさまざまな機能が時計遺伝子によって制御されていることがわかっていたが,最近,皮膚の感染症や炎症,癌といった種々の疾患・病態も体内時計と密接に関連していることが続々と報告されている.われわれは単純ヘルペスウイルスの感染症状が宿主の感染時刻によって大きな影響を受けることや,活動期(昼)にヘルペスの易感染性がピークになることなどを明らかにした.本稿では,ヘルペス感染症を中心に概日時計と皮膚疾患との関係をひも解きながら,“Chronodermatology”(時間皮膚科学)について考察したい.
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