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特集 過労死等研究の現在地――10年間の成果と今後の方向性
過労死等としての脳・心臓疾患の実態とその発症メカニズム
The actual conditions and mechanisms of onset of cerebrovascular and cardiovascular diseases as Karoshi
守田 祐作
1
Yusaku MORITA
1
1労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所過労死等防止調査研究センター
キーワード:
過労死等
,
脳・心臓疾患
,
高血圧
,
椎骨動脈解離
Keyword:
過労死等
,
脳・心臓疾患
,
高血圧
,
椎骨動脈解離
pp.543-546
発行日 2025年2月15日
Published Date 2025/2/15
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292070543
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過労死等としての脳・心臓疾患は,業務による過重な負荷が加わることで,その発症の基礎となる血管病変等がその自然経過を超えて著しく増悪して発症したものである.労働時間が長くなるほど循環器疾患の発症リスクが上昇する量-反応関係が観察されているが,その発症メカニズムはいまだ不明な点が多い.筆者らは,過重負荷が認められた業務上認定(過労死認定)事案と過重負荷が認められなかった業務外認定事案の脳・心臓疾患の病態を比較することで,過重負荷が加わった場合に特徴的に生じる病態を検討した.過労死等としての脳出血は脳深部での高血圧性脳出血が多いこと,くも膜下出血は椎骨動脈解離によるものが多いこと,脳梗塞ではラクナ梗塞が多いことが明らかとなった.これらの知見により,過労死等の病態を踏まえた対策が進んでいくことを期待している.
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