特集 働く人の健康と地域保健
過労死110番から—実態報告と地域保健への期待
玉木 一成
1
1東京駿河台法律事務所
pp.524-528
発行日 1997年7月10日
Published Date 1997/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901597
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過労死110番8年間の相談結果
過労死110番が1988年にスタートして今年で満9年になった。大阪の過労死問題研究会が「過労死110番」を行ったのがきっかけで,全国的に大きな反響があり,父の日の前日である1988年6月18日に,全国7か所の相談窓口で過労死110番を実施したところ,1日で135件もの相談が殺到した。その後,過労死110番の相談窓口が全都道府県に設置され,毎年6月の父の日(第3日曜日)の前日に全国一斉相談をしたり,常設の相談窓口などで,過労死したり,倒れて働けなくなった被災者やその家族からの相談や,過労死の予防に関する相談を受けてきた。今年(1997年)の全国一斉過労死110番は6月14日に行われる予定で,10回目の全国一斉相談となる。
1997年3月1日までの約9年間の相談の集計結果は,次のとおりである。相談件数は全部で4245件で,うち2885件(68.0%)が過労で倒れ働けなくなったり死亡した被災者の労災補償に関する相談だった。なかでも,死亡したケースが1753件(41.3%)にもなっている。
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