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第1土曜特集 ゲノム編集医療――最先端ツールからモデル,創薬,遺伝子治療へ
安全性評価や倫理的課題
ゲノム編集治療に係る目的外変異の予測・評価の手法と考え方
Prediction and evaluation of unintended mutations for genome-editing therapies
山下 拓真
1
,
山本 武範
1
,
内田 恵理子
1
,
井上 貴雄
1
Takuma YAMASHITA
1
,
Takenori YAMAMOTO
1
,
Eriko UCHIDA
1
,
Takao INOUE
1
1国立医薬品食品衛生研究所遺伝子医薬部
キーワード:
ゲノム編集
,
安全性評価
,
オフターゲット変異
Keyword:
ゲノム編集
,
安全性評価
,
オフターゲット変異
pp.452-457
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292050452
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ゲノム編集技術を用いた遺伝子治療は,疾患の原因となる変異遺伝子の破壊や修復,特定のゲノム領域への遺伝子組み込みなど,従来の遺伝子治療では困難であった遺伝子改変が可能な次世代の遺伝子治療として期待されている.欧米では,2023年にβサラセミアおよび鎌状赤血球症を対象とするBCL11A欠損造血幹細胞製品であるexagamglogene autotemcel(商品名:Casgevy)が世界初のゲノム編集製品として承認されるなど,臨床開発が活発化している.ゲノム編集製品の安全性評価については,ゲノム編集の作用機構に由来する特有の考慮事項が存在し,各国の規制文書にその考え方が提示されている.本稿では,ゲノム編集製品の安全性上の懸念点として特に注意を要する “目的外変異の導入” に焦点をあて,上述のCasgevyの実例を交えつつ,その評価の現状を概説する.
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