Japanese
English
第1土曜特集 ゲノム編集医療――最先端ツールからモデル,創薬,遺伝子治療へ
ゲノム編集細胞研究
CRISPRスクリーニング法を用いたがん治療の新規標的探索
Identification of novel cancer therapy targets by CRISPR screening
遊佐 宏介
1
Kosuke YUSA
1
1京都大学医生物学研究所幹細胞遺伝学分野
キーワード:
CRISPRスクリーニング
,
網羅的遺伝子探索
,
がん
,
治療標的
,
増殖必須遺伝子
Keyword:
CRISPRスクリーニング
,
網羅的遺伝子探索
,
がん
,
治療標的
,
増殖必須遺伝子
pp.374-378
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292050374
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
酵母や線虫,ハエなどのモデル生物での生物学的プロセスに関わる遺伝子の発見に,順遺伝学は重要な役割を演じた.この当時,同様の手法による遺伝子クローニングが難しかったヒト細胞であるが,次世代シーケンサー(NGS)技術とCRISPR-Cas9システムによるゲノム編集の登場によりCRISPRスクリーニングが開発され,順遺伝学に基づく網羅的遺伝子探索が可能となった.すでにさまざまなヒト生命現象に対し,そこに関わる遺伝子の探索が行われており,ヒット遺伝子が既知のものであったとしても新たな機能を発見する端緒となっている.本稿では,特にCRISPRによる高い遺伝子ノックアウト効率により可能となった負の選択に基づく遺伝子探索に焦点をあて,この最も基本的な応用法であるがん治療のための新しい治療標的の探索を例として解説する.
Copyright © 2025 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.