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特集 生物学的相分離と計測技術
高速AFMを用いた分子集合体マニピュレーション
Manipulation of molecular assemblies using high-speed AFM
梅田 健一
1
Kenichi UMEDA
1
1金沢大学ナノ生命科学研究所
キーワード:
高速原子間力顕微鏡(AFM)
,
インタラクティブモード
,
DNA結合タンパク質
,
分子集合体
Keyword:
高速原子間力顕微鏡(AFM)
,
インタラクティブモード
,
DNA結合タンパク質
,
分子集合体
pp.281-286
発行日 2025年1月25日
Published Date 2025/1/25
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292040281
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近年,高速原子間力顕微鏡(AFM)技術が進化し,活性な状態にある生体分子の機能動態をサブ分子スケールで可視化できるようになった.高速AFMには,クライオ電子顕微鏡やX線構造解析など他の構造生物学的手法と異なり,決まった構造をとらない天然変性タンパク質の形状や,液体状態にある分子集合体の構造を可視化できるという大きな利点がある.さらに他の手法にはない特徴として,観察に用いる探針を使って観察対象となる分子に力学的な外部刺激を加えることで,その力学応答を計測したり,マニピュレーションしたりすることも可能である.他のAFM技術であっても,こうしたマニピュレーションは可能であるが,高速AFMならではの高フレームレートをいかすことで,まるで計測者が分子を触っているようなインタラクティブな計測が可能となっている.本手法は非常にユニークな計測を可能とするにもかかわらず,まだ数例程度しか研究報告がないため,あまり広く認知されていない.そのため本稿では,このインタラクティブモードを利用した分子マニピュレーションに関する実験結果について解説する.
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