Japanese
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連載 自己指向性免疫学の新展開――生体防御における自己認識の功罪・Vol.21
腫瘍死細胞由来分子による免疫制御機構
Modulation of tumor immune responses by damage-associated molecular patterns(DAMPs)
柳井 秀元
1
,
衞藤 翔太郎
1
Hideyuki YANAI
1
,
Shotaro ETO
1
1東京大学先端科学技術研究センター炎症疾患制御分野
キーワード:
細胞障害関連分子(DAMPs)
,
自然免疫受容体
,
炎症
,
腫瘍免疫
Keyword:
細胞障害関連分子(DAMPs)
,
自然免疫受容体
,
炎症
,
腫瘍免疫
pp.241-246
発行日 2025年1月18日
Published Date 2025/1/18
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292030241
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SUMMARY
免疫系は外界から侵入する微生物由来分子に反応し,感染防御に重要な役割を担う一方,腫瘍細胞などの擬自己細胞に由来する分子群に対しても反応することが徐々に明らかとなりつつある.しかしながら,免疫受容体がどのような腫瘍由来分子を認識するのか,またそのような応答が腫瘍免疫に与える影響についてはいまだ不明な点が多い.筆者らは腫瘍死細胞から放出される分子群(細胞障害関連分子;DAMPsともよばれる)に着目し,DAMPsの同定と腫瘍免疫との関わりについて解析を進めている.腫瘍増殖において,免疫応答には “功” “罪” 両面の複雑な作用が報告されているが,ここにDAMPsがどのような影響を与えているか,その分子機構を明らかにし,腫瘍免疫療法への応用に有用な治療標的の提示につなげたいと考えている.本稿では,DAMPsと腫瘍免疫について,筆者らの知見を含めて紹介する.
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