Japanese
English
連載 細胞を用いた再生医療の現状と今後の展望――臨床への展開・Vol.7
変形性膝関節症に対する脂肪由来細胞治療
Adipose-derived cell therapy for knee osteoarthritis
松本 知之
1
,
黒田 良祐
1
,
傍島 聡
2
Tomoyuki MATSUMOTO
1
,
Ryosuke KURODA
1
,
Satoshi SOBAJIMA
2
1神戸大学医学部整形外科
2医療法人再生会そばじまクリニック
キーワード:
変形性膝関節症(膝OA)
,
脂肪由来間葉系幹細胞
,
脂肪由来間質血管細胞群
,
微小細断脂肪組織片(MFAT)
Keyword:
変形性膝関節症(膝OA)
,
脂肪由来間葉系幹細胞
,
脂肪由来間質血管細胞群
,
微小細断脂肪組織片(MFAT)
pp.247-252
発行日 2025年1月18日
Published Date 2025/1/18
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292030247
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SUMMARY
変形性膝関節症(膝OA)に対する治療オプションとして,近年,再生医療が注目されている.なかでも脂肪由来細胞移植が自由診療として広く臨床応用され,その有用性に関しての報告が散見されるようになっている.現在までに,脂肪由来細胞は,間葉系幹細胞(MSC),間質血管細胞群(SVF),微小細断脂肪組織片(MFAT)に分類され,それぞれの特徴により臨床現場で使い分けられている.しかし,従来の保存的治療との有効性の比較,様々な細胞治療との有効性の比較,また有効性につながるその機序についてはいまだ不明な点が多い.筆者らはその簡便性・有効性への期待から間質血管細胞群治療を行っており,膝OAへの有用性,有効細胞量,複数回投与の有用性について報告してきた.また,動物実験においては,M2マクロファージへの関与による抗炎症作用が機序の一部であることが判明している.今後,脂肪由来細胞間での有用性比較を含め,質の高い臨床研究・基礎研究成果の報告が待たれる.
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