特集 免疫応答の負の制御:免疫恒常性の維持と疾患治療への応用
ペア型レセプターによる免疫制御機構
荒瀬 尚
1
1大阪大学免疫学フロンティア研究センター
キーワード:
Integrins
,
シグナルトランスダクション
,
炎症
,
好中球
,
免疫受容体
,
単純ヘルペス
,
自然免疫
,
免疫調節
,
Immunoreceptor Tyrosine-Based Activation Motif
,
Immunoreceptor Tyrosine-Based Inhibition Motif
,
PILRA Protein
,
PILRB Protein
Keyword:
Herpes Simplex
,
Immunity, Innate
,
Inflammation
,
Neutrophils
,
Receptors, Immunologic
,
Signal Transduction
,
Integrins
,
Immunomodulation
,
Immunoreceptor Tyrosine-Based Activation Motif
,
Immunoreceptor Tyrosine-Based Inhibition Motif
,
PILRB Protein, Human
,
PILRA Protein, Human
pp.1215-1219
発行日 2013年11月22日
Published Date 2013/11/22
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ペア型レセプターは抑制化レセプターと活性化レセプターから構成される一連のレセプター群であり,主に自然免疫細胞に発現している.抑制化レセプターは細胞内ドメインにITIMを持っており,リガンド認識に伴いSHP-1,SHP-2などのホスファターゼを動員して脱リン酸化を起こし,活性化シグナルを阻害して抑制化シグナルを伝達する.一方,活性化レセプターは,短い細胞内ドメインしか持っていないが,細胞内領域にITAMを持つFcRγ,DAP12などのアダプター分子と会合することによって活性化シグナルを伝達する.これらの抑制化レセプターと活性化レセプターは通常ゲノム上隣り合わせで存在することから,共に進化してきた分子であると考えられる.本稿では,これらのペア型レセプターの免疫制御機能について,筆者らが解析してきたペア型レセプターPILRを中心に紹介する.
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