Japanese
English
資料
薬物療法による影響であろうと考えられる高アンモニア血症を呈した1症例
Clinical Case of Hyperammonemia by Means of Chemotherapy with L-asparaginase
山田 満廣
1
,
市村 佳彦
1
,
河村 ゆき江
1
,
南口 隆男
1
,
小味渕 智雄
1
Mitsuhiro YAMADA
1
,
Yoshihiko ICHIMURA
1
,
Yukie KAWAMURA
1
,
Takao MINAMIGUCHI
1
,
Tomoo KOMIBUCHI
1
1大阪赤十字病院臨床検査部臨床化学
1Division of Clinical Chemistry, Department of Central Clinical Laboratories, Osaka Red Cross Hospital
キーワード:
抗悪性腫瘍酵素製剤
,
ロイナーゼ
,
L―アスパラギナーゼ
,
急性リンパ性白血病
,
副作用
,
高アンモニア血症
Keyword:
抗悪性腫瘍酵素製剤
,
ロイナーゼ
,
L―アスパラギナーゼ
,
急性リンパ性白血病
,
副作用
,
高アンモニア血症
pp.1177-1181
発行日 2002年10月15日
Published Date 2002/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905213
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
2001年5月,急性リンパ性白血病患者において,薬物療法による副作用と考えられる高アンモニア血症を示した症例を報告した.この症例の検体を用いてアンモニア濃度を経時的に測定したところ,短時間内に著増することを確認した.治療に用いられた薬剤は,協和発酵工業(株)の抗悪性腫瘍酵素剤:ロイナーゼであり,その作用は腫瘍細胞が必須とするアスパラギンを加水分解することにより枯渇させ,腫瘍細胞の増殖を抑制するものである.このアスパラギンの加水分解作用によりアンモニアが生成するため,高アンモニア血症を招来したものと推測される.また,ロイナーゼの試験管内での添加実験により,急速にアンモニアが上昇することを確認した.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.