肝疾患と栄養・サルコペニア
肝硬変・肝癌患者の栄養療法 肝硬変患者に対するカルニチン補充療法の意義
斉藤 雅也
1
1さいとう内科クリニック
キーワード:
Carnitine
,
Taurine
,
肝硬変
,
肝性脳症
,
生活の質
,
有病率
,
栄養管理
Keyword:
Carnitine
,
Hepatic Encephalopathy
,
Liver Cirrhosis
,
Quality of Life
,
Taurine
,
Prevalence
,
Nutrition Therapy
pp.573-579
発行日 2017年4月20日
Published Date 2017/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2017234739
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潜在性脳症を有する肝硬変患者による交通死亡事故が社会問題になってきている.最近になって潜在性脳症の診断方法が確立され,本邦ではNPテスト(neuropsychiatric test)が診断に広く用いられるようになってきている.肝硬変患者のなかで潜在性脳症患者が占める割合は,前向き試験にて37.5%であった.潜在性脳症患者の半数は3年以内に顕在性脳症へと進展し予後不良となる.潜在性脳症患者に対するカルニチン補充療法により45.8%が改善効果を認めた.そして,カルニチン補充前の血清タウリン値が保たれているほど,脳症の改善が多くみられた.カルニチン補充療法は顕在性脳症への進展を抑制し予後を改善する可能性を秘めている.
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