Japanese
English
特集 巨大災害に備えるための災害医療――発災前の備え,発災直後の体制,発災後中長期的健康課題の解決
災害データバンクと災害医療情報の最前線
Disaster data bank and the forefront of disaster medical information
藤井 進
1
,
野中 小百合
1
Susumu FUJII
1
,
Sayuri NONAKA
1
1東北大学災害科学国際研究所災害医学部門災害医療情報学分野
キーワード:
医療情報
,
PHR(個人健康記録)
,
データバンク
,
AI
,
災害医療
Keyword:
医療情報
,
PHR(個人健康記録)
,
データバンク
,
AI
,
災害医療
pp.176-180
発行日 2025年1月11日
Published Date 2025/1/11
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292020176
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
電子化された医療情報は物理的な距離に関係なく同時に複数で情報共有できる強みがある.また,コロナ禍を契機に遠隔診療の導入が進んだことや医療AIの進展も加わり,医療情報の重要性が増している.さらにウェアラブルデバイスの普及もあり,PHR(個人健康記録)をもとに健康管理疾病予測,早期診断に役立つ情報を収集することも増えている.いわば医療情報のパーソナライゼーションが進んでいる.こうした背景もあり,災害時には情報共有だけでなく,遠隔診療の活用やスマートフォンアプリなどの自己の疾病管理機能により,被災地医療の質の向上が期待されている.しかし,平時から活用していないサービスは災害時に円滑に活用できないため,平時からの利用が課題となっている.また,防災意識の向上,防災教育,災害の傾向分析などに災害アーカイブを活用してきた.今後はシステムデータとしての価値を創出し,AIなどの技術を用いた災害時の意思決定支援システム構築など,実際に防災・減災に役立つ新たな活用方法が期待されている.
Copyright © 2025 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.