Japanese
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特集 災害医療対応の最前線――近年の災害対応からの教訓
日本の災害医療対応の変遷
History of disaster medical care system in Japan
赤星 昂己
1
Kouki AKAHOSHI
1
1独立行政法人国立病院機構 本部DMAT事務局
キーワード:
災害医療
,
災害派遣医療チーム(DMAT)
,
災害拠点病院
,
災害医療コーディネーター
,
広域災害救急医療情報システム(EMIS)
,
阪神淡路大震災
,
東日本大震災
,
熊本地震
,
北海道胆振東部地震
Keyword:
災害医療
,
災害派遣医療チーム(DMAT)
,
災害拠点病院
,
災害医療コーディネーター
,
広域災害救急医療情報システム(EMIS)
,
阪神淡路大震災
,
東日本大震災
,
熊本地震
,
北海道胆振東部地震
pp.576-582
発行日 2021年5月22日
Published Date 2021/5/22
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27708576
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日本の災害医療は阪神淡路大震災を契機に災害拠点病院の設置,災害派遣医療チーム(DMAT)の創設,広域災害救急医療情報システム(EMIS)の確立などの体制整備が進められた.それは東日本大震災を経てシームレスな医療支援体制のためDMATの活動期間の見直しや多様な医療支援チームとの連携が検討され,公衆衛生的側面では災害時健康危機管理支援チーム(DHEAT)が創設された.熊本地震では実際にDMAT二次隊の派遣や,日本医師会災害医療チーム(JMAT)や日本赤十字社の救護班,NGO団体の医療支援チームとの連携が実施され,医療空白を生じずにDMATから地域の救護班への円滑な移行がなされた.さらに,行政機能の支援目的に実際にDHEATなどのチームが派遣され,クラスターアプローチの考え方が導入された.そして.北海道胆振東部地震では災害時におけるライフラインの重要性が再認識され,EMISの整備と災害拠点病院のラインフラインの備蓄に関する要件の改訂がなされた.このように日本の災害医療対応は災害を経験するごとに発展し続けてきた.そしてこの発展は今もなお続いている.
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