Japanese
English
特集 生体内リプログラミングによる個体生命機能の制御
リプログラミングによる神経再生
Neuronal regeneration by reprogramming
岩本 昌和
1
,
松田 泰斗
1
,
中島 欽一
1
Masakazu IWAMOTO
1
,
Taito MATSUDA
1
,
Kinichi NAKASHIMA
1
1九州大学大学院医学研究院応用幹細胞医科学部門基盤幹細胞学分野
キーワード:
ダイレクトリプログラミング(直接分化転換法)
,
グリア細胞
,
iN細胞(induced-neuronal cell)
,
神経再生
Keyword:
ダイレクトリプログラミング(直接分化転換法)
,
グリア細胞
,
iN細胞(induced-neuronal cell)
,
神経再生
pp.869-874
発行日 2023年3月18日
Published Date 2023/3/18
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28411869
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ヒトを含む成体哺乳類の中枢神経系では,神経幹細胞からニューロンが新生される.しかし,その量は虚血性・外傷性脳損傷や神経変性疾患などにより失われた神経機能を回復するには十分でない.近年,こうした損傷や疾患によって失われたニューロンを再生するために着目されているのが,生体内ダイレクトリプログラミング(以下,直接分化転換法)である.これは生体内で,体細胞を特徴付けるために鍵となる因子の発現を操作することで,幹細胞などの多能性を持つ細胞状態を経由せず,意図した細胞へ直接分化転換する方法である.幹細胞状態を経由しないため,腫瘍化のリスクがきわめて少なく,必要細胞種を治療が必要なときに,免疫拒絶反応を引き起こさず患者体内へ供給可能である.本稿では,アストロサイトやミクログリアを用いた直接分化転換法による神経再生の最新の成果について概説する.
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