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第5土曜特集 細胞外小胞・エクソソームの医療応用の未来
細胞外小胞を用いた新規技術
涙液中の細胞外小胞を用いた診断
Extracellular vesicles in tears as diagnostic tools
砂山 博文
1
,
堀川 諒
2,3
,
竹内 俊文
4
Hirobumi SUNAYAMA
1
,
Ryo HORIKAWA
2,3
,
Toshifumi TAKEUCHI
4
1神戸大学大学院医学研究科
2同科学技術イノベーション研究科
3株式会社TearExo
4神戸大学未来医工学研究開発センター
キーワード:
涙液検査
,
眼科疾患
,
神経変性疾患
,
がん診断
Keyword:
涙液検査
,
眼科疾患
,
神経変性疾患
,
がん診断
pp.749-755
発行日 2024年11月30日
Published Date 2024/11/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu291090749
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細胞外小胞(EV)とがんの増殖・転移などとの関連性が報告されて以降,体液中のEV検出によるリキッドバイオプシーに関する研究開発が盛んに行われている.測定対象としては血液が主流であるが,夾雑物質が多く,侵襲的であるため,日常的なサンプリングが困難などの課題がある.涙液は血液と同様にがんマーカータンパク質やmiRNAを含み,その一方で夾雑物質が少なく,低侵襲に採取可能であるといった点から,臨床検体として期待されている.2016年にGrigor’evaらが報告した涙液中のEVに関する研究以降,涙液には眼科疾患をはじめ,神経変性疾患やがんといった眼以外の疾患に由来する成分を含んだEVの存在が報告されており,涙液中のEVによる疾患の診断や薬物療法の効果判定への利用可能性が示唆されている.本稿では,近年の涙液中のEV分析に関する報告から,現状とその展望について概説する.
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