Japanese
English
特集 進化する胎児治療――研究と臨床の最新情報
日本でついにはじまった脊髄髄膜瘤の直視下胎児手術
-――日本に導入するためのこれまでの取り組み
Efforts to introduce fetal surgery for spina bifida in Japan
遠藤 誠之
1,2,3
Masayuki ENDO
1,2,3
1大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻生命育成看護科学講座母性胎児科学
2同産科婦人科学講座
3同附属病院胎児診断治療センター
キーワード:
胎児手術
,
脊髄髄膜瘤(MMC)
,
早期安全性試験
,
先進医療
Keyword:
胎児手術
,
脊髄髄膜瘤(MMC)
,
早期安全性試験
,
先進医療
pp.593-597
発行日 2024年11月23日
Published Date 2024/11/23
DOI https://doi.org/10.32118/ayu291080593
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
脊髄髄膜瘤(MMC)は胎生期の神経管閉鎖不全が原因で発生し,神経損傷を引き起こす重篤な先天性奇形である.従来の出生後の治療では感染予防はできるが,すでに神経機能の回復は困難である.しかし,近年の研究で胎児手術により神経損傷を軽減し,神経予後を改善できる可能性が示された.2011年のMOMS試験では,胎児手術が運動機能やQOLの改善に有効であることが確認され,それ以降,米国や欧州などで積極的に導入されている.日本でも2012年からプロジェクトが始動し,胎児手術導入に向けた体制整備が進められ,2020年以降,複数の症例で安全性試験が実施されている.今後は先進医療,そして保険収載に向けて進めていく.
Copyright © 2024 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.