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特集 進化する胎児治療――研究と臨床の最新情報
脊髄髄膜瘤の内視鏡下胎児手術
-――将来の導入を見据えて手術法を比較すると
The current status of fetoscopic myelomenigocele repair
渡邊 美穂
1
Miho WATANABE
1
1大阪大学大学院医学系研究科小児成育外科
キーワード:
脊髄髄膜瘤(MMC)
,
胎児手術
,
子宮鏡下髄膜瘤閉鎖術
Keyword:
脊髄髄膜瘤(MMC)
,
胎児手術
,
子宮鏡下髄膜瘤閉鎖術
pp.598-600
発行日 2024年11月23日
Published Date 2024/11/23
DOI https://doi.org/10.32118/ayu291080598
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母体開腹子宮開放手術の低侵襲な代替法として,子宮鏡下胎児髄膜瘤閉鎖術が行われている.この手術にはさまざまなアプローチがあり,①子宮へのアクセスの違い(母体開腹子宮脱転法と穿刺法),②プラコード上の組織被覆法の違い(パッチ使用の有無,1層閉鎖あるいは2層閉鎖)がある.子宮鏡手術の利点としては,子宮破裂のリスクが減少すること,胎児手術後の経腟分娩も可能となり,母体への負担が軽減することがあげられる.しかし一方で,胎児の神経機能(下肢運動機能,キアリ奇形,水頭症),早産リスク(羊膜絨毛膜剝離,胎盤剝離),手術侵襲(周産期死亡率,手術時間)の点においては,現時点では子宮鏡手術の有効性を示すには至っていない.今後,子宮鏡下胎児髄膜瘤閉鎖術のさらなる改良が期待される.
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