Japanese
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特集 脳血管内治療の最前線と近未来
脳血栓回収療法の最新情報
Update on endovascular therapy for acute stroke
内田 和孝
1
,
白川 学
1
,
吉村 紳一
1
Kazutaka UCHIDA
1
,
Manabu SHIRAKAWA
1
,
Shinichi YOSHIMURA
1
1兵庫医科大学脳神経外科
キーワード:
脳主幹動脈閉塞症
,
脳血栓回収療法
,
適応拡大
,
費用対効果
Keyword:
脳主幹動脈閉塞症
,
脳血栓回収療法
,
適応拡大
,
費用対効果
pp.524-527
発行日 2024年11月16日
Published Date 2024/11/16
DOI https://doi.org/10.32118/ayu291070524
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2015年に脳主幹動脈閉塞症による急性期脳梗塞に対する脳血栓回収療法の有効性が証明され,2018年には発症後24時間までその適応時間が拡大された.また,2022年には対象血管が脳底動脈閉塞へも広がり,広範囲に虚血性変化を認める症例に対してもその適応が拡大された.一方で,遺伝子組換え組織型プラスミノゲン・アクティベータ(rt-PA,以下,アルテプラーゼ)を投与せずに脳血栓回収療法を行う群と,アルテプラーゼ投与後に脳血栓回収療法を行う群との非劣性試験ではその非劣性は証明されず,アルテプラーゼの適応症例には,アルテプラーゼ投与後に脳血栓回収療法を行うことが推奨される.現在,軽症例と中等度の血管閉塞症例や,最終健常確認時刻から24~72時間が経過した症例に対する脳血栓回収療法の有効性を証明するためのランダム化比較試験(RCT)が進行中であり,その結果が待たれる.今後も脳血栓回収療法の適応拡大が期待されるなか,医療経済学的な検討も重要である.
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