Japanese
English
連載 細胞を用いた再生医療の現状と今後の展望――臨床への展開・Vol.1
自己骨髄間葉系幹細胞を用いた脳脊髄疾患などの治療
Cellular therapy for neural disorders using autologous bone marrow derived mesenchymal stem cells
佐々木 祐典
1
,
本望 修
1
Masanori SASAKI
1
,
Osamu HONMOU
1
1札幌医科大学医学部附属再生医学研究所神経再生医療学部門
キーワード:
脳脊髄疾患に対する細胞移植療法
,
間葉系幹細胞(MSC)
,
脊髄損傷
,
リハビリテーション併用
,
寿命延伸
Keyword:
脳脊髄疾患に対する細胞移植療法
,
間葉系幹細胞(MSC)
,
脊髄損傷
,
リハビリテーション併用
,
寿命延伸
pp.498-503
発行日 2024年11月9日
Published Date 2024/11/9
DOI https://doi.org/10.32118/ayu291060498
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SUMMARY
過去数十年にわたり,脳脊髄疾患に対する細胞移植療法は大きく進歩してきた.ドナー細胞の候補として,さまざまな細胞が検討されているなかで,筆者らは自己骨髄に含まれる間葉系幹細胞(MSC)に注目し,MSCの経静脈的投与(MSC治療)の有用性を報告してきた.本稿では,MSCの治療メカニズム,臨床応用,および最新の研究成果を概説する.MSCの治療メカニズムは多彩であり,時間的・空間的に多層的に展開される.臨床への展開として,特に脊髄損傷に対しては条件および期限付承認を受け,保険診療としての使用が進んでいる.また,MSCを用いた基礎研究ではさまざまな脳脊髄疾患に対する有効性が明らかになっており,新たな治療法としての可能性が期待される.さらに,リハビリテーションとの併用効果や寿命延伸効果もMSC治療の今後の重要な展望として注目される.
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