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第1土曜特集 腸内フローラの研究進展と臨床応用
基礎研究の進展
腸脳相関における腸内細菌の役割
The role of gut bacteria on the gut-brain axis
寺谷 俊昭
1
Toshiaki TERATANI
1
1慶應義塾大学医学部消化器内科
キーワード:
腸脳相関
,
迷走神経
,
腸内細菌
Keyword:
腸脳相関
,
迷走神経
,
腸内細菌
pp.315-323
発行日 2024年11月2日
Published Date 2024/11/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu291050315
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腸と脳は双方向性のコミュニケーションネットワークを構築し,相互に影響を及ぼしあう.この関係は腸脳相関とよばれ,最近10年間の独創的な研究により,腸脳相関が消化管や脳だけでなく,さまざまな臓器に影響を与えることが広く認識されつつある.一方で,腸内に生息する細菌(腸内細菌)は,バラエティに富んだ代謝物を産生することで宿主の免疫・代謝を含む生理機能に深く関与することが知られているが,これら代謝物は腸脳相関を介して脳に作用することが近年示されている.つまり,腸脳相関における腸内細菌の役割を明確にすることは,免疫難病,代謝疾患,精神・神経疾患など多くの疾患に対して有効な治療法を提案するきっかけとなりうる.
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