Japanese
English
特集 生体信号を活用した医療AIの臨床応用に向けて
小児患者の全身麻酔中における喉頭痙攣の予知
Development of a prediction model for laryngospasm during general anesthesia in pediatric patients
中西 俊之
1
Toshiyuki NAKANISHI
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科麻酔科学・集中治療医学分野
キーワード:
異常検知
,
喉頭痙攣
,
声門上器具
,
全身麻酔
,
多変量時系列データ
Keyword:
異常検知
,
喉頭痙攣
,
声門上器具
,
全身麻酔
,
多変量時系列データ
pp.250-254
発行日 2024年10月26日
Published Date 2024/10/26
DOI https://doi.org/10.32118/ayu291040250
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
全身麻酔中の患者では,気道確保が必須である.声門上器具は気管挿管と比べて患者への侵襲が小さい気道確保法であるが,喉頭痙攣が生じた場合に気道が閉塞して換気ができなくなる.喉頭痙攣はまれであるが重大な気道合併症であり,不十分な麻酔の際に痛みや気道分泌物の刺激によって生じる気道防御反射である.声門上器具の使用中に喉頭痙攣が生じると,速やかに解除されない場合は低酸素血症から心停止を生じうる.誰にでも喉頭痙攣の発生を予知できれば,麻酔管理の安全性向上や患者の利益につながる.そこで筆者らは,全身麻酔中にモニタリングされる多変量の時系列データから喉頭痙攣の発症を予知するAIを開発した.多変量の時系列データに適用可能な異常検知アルゴリズムである,多変量統計的プロセス管理(MSPC)を用いて,約60%の感度と0.65回/時間の偽陽性率の性能を達成した.今後は本AIを医療現場で実装し,麻酔管理の安全性向上などの有用性を検証したい.
Copyright © 2024 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.