投稿論文 総説
全身麻酔中の肺保護換気
水野谷 和之
1
,
斉藤 仁志
,
森本 裕二
1北海道大学病院 麻酔科・集中治療部
キーワード:
圧力
,
術中管理
,
全身麻酔
,
陽圧呼吸
,
食道内圧測定
Keyword:
Anesthesia, General
,
Intraoperative Care
,
Pressure
,
Positive-Pressure Respiration
pp.1068-1075
発行日 2022年10月10日
Published Date 2022/10/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2023009688
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術中の肺保護換気の概念は,低容量換気,プラトー圧制限,呼気終末陽圧(positive end-expiratory pressure:PEEP)の付加,リクルートメント手技から構成される。これまでの無作為化比較試験やメタ解析は,低容量換気に適度なPEEPを加えることを支持しているが,術後呼吸器合併症の減少効果について十分な結論は得られていない。近年,新しい概念である駆動圧,食道内圧に基づく経肺圧の理論が術中呼吸管理にも用いられ始めた。呼気経肺圧の考え方は患者や手術特性に応じて個別化されたPEEP設定を可能にし,呼吸器系メカニクスを改善させることが示されている。肺保護換気に個別化PEEP設定を組み合わせた呼吸管理が術後アウトカムへ与える影響が今後の検討課題である。
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