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第1土曜特集 アトピー性皮膚炎の治療を網羅する
ネモリズマブ
Nemolizumab
今井 聡子
1
,
石氏 陽三
1
Satoko IMAI
1
,
Yozo ISHIUJI
1
1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座
キーワード:
ネモリズマブ
,
IL-31
,
痒み
,
アトピー性皮膚炎(AD)
Keyword:
ネモリズマブ
,
IL-31
,
痒み
,
アトピー性皮膚炎(AD)
pp.70-76
発行日 2024年10月5日
Published Date 2024/10/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu291010070
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アトピー性皮膚炎(AD)は,皮膚バリア機能障害,免疫異常,痒みの3つの要素が病態を形成する慢性炎症性皮膚疾患である.なかでも痒みは最も改善してほしい症状であり,外来受診動機の最重要症状とされている1).ADの痒みの特徴として,痒みの強度が強いことや痒み過敏の状態を呈していることなどが知られている.特にADでは,搔破すればするほど痒みが増強してしまうitch-scratch cycleという痒みの悪循環を呈し,病変の難治化の一因となっている.このような状況は睡眠障害をもたらし,生活の質(QOL)を著しく低下させる.このADにおける難治性の痒みの原因として,IL-31が重要な働きをしている.そのため,ADの痒みを改善させるためには,IL-31が関与する痒みの経路を遮断することが重要である.近年,このIL-31のシグナルを抑制できるネモリズマブが開発された.本稿では,ADにおけるIL-31の役割とネモリズマブの効果について概説する.
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